櫻本 太志

SAKURAMOTO  FUTOSHI

櫻本太志


  生れながらにして自宅が書道教室という環境に育ち、日常的に書道を元気に学ぶ子供の声や大人の真剣な眼差し、高価な硯や沢山の筆などに囲まれた生活を過ごした。いつも墨の香りに包まれた自宅で、厳しい指導であった父・静月より3歳から書道を学び始める。当たり前のように何の疑問も持たずに書道を学ぶようになっていたが、この頃には書道が楽しいと感じた覚えはなかった。小学生時代には書道展で県知事賞を受賞して表彰され、中学高校時代にも県内の書き初め展や高校学校総合文化祭(文化部のインターハイ)などに出品し、数々の賞を受賞している。この頃には、自宅の書道塾で下級生への指導や手本書きなど、指導の補助も担当していた。この頃から徐々に自分の書が評価されたことによる喜びや指導補助による達成感を感じるようになっていった。中高生の頃から昭和時代を代表する書家・松本芳翠の書風に傾倒して、書写や習字と呼ばれるような美しい文字・格調を重んじた品格ある書という理念に沿って伝統規範的な書芸術を徹底的に学んでいた。
 その後、書の道を志し、東京学芸大学教育学部書道専攻に入学。この大学は、書道学科、書道教育部門においては全国の中心的な存在と研究実績がある大学で、厳しい父には「この大学でなければ書道系の進学は許さない」と言われていた。猛勉強の末に入学できたが、ここで私のこれまでの書の価値観は大きく崩れた。全国から書家・書道教育者を目指す者が集まるこの大学は、これまで私が学んできた範疇を大きく超えていたのである。隣の者は筆を逆手にとって書き、もう一方では裸になって大声を出して筆を振り下ろす者までいた。筆をしっかり立てて体の芯がブレないように筆を運ぶことを心がけてきた自分にはいわばカルチャーショックであった。この頃から自分の書に対する価値観は大きく変化し、書を芸術として学ぶこと、書作品は感情表現であるということに興味が深まっていく。そして大学在学中は書道教室をアトリエとしながら同級生などと夜中まで書や芸術について語らいながら制作に没頭した。
 大学卒業後は三年間、書道用品店に勤務した。筆や墨、硯や紙を扱う販売店では、たくさんの書家の先生方と交流しながら、書作に最適な書道具を研究開発した。特に製紙法と製筆法に興味を抱き、製法によってここまで墨色や線質に変化が生まれることを改めて実感した。職人と相談して書家の先生に最適な商品を届けようと開発を続けたこの経験が、自作にも大きな影響を及ぼしたことは言うまでもない。その後は、公立高校の書道教員として10年間勤務した。芸術科を有する高校に専任し、将来書家や書の指導者を目指す生徒の指導に明け暮れた。全国書道展で最高賞を連覇するなど全国大会常連校として定着し、生徒は数え切れない程の受賞や実績を手にすることができた。この経験を通して書作のノウハウや表現技法の習得、表現の多様性などの理解を深めることができ、自身の指導法の確立に繋がった。生徒は厳しい進路指導を経て書道学科を有する国立大や私大に合格し、現在は書家、書道教員として全国で活躍している。
 その後は銀座や南青山のカルチャースクールにて社会人に対して書道講師を担当していたが、その後独立。現在は浅草橋にて自身の書道教室を運営している。また、自身の活動として個展やグループ展、企画展を開催している。また、日本最大の書道団体である(一財)毎日書道会、世界に通ずる書を追求する書道芸術団体(公財)独立書人団に所属して作品発表や書道研究に励んでいる。 
 
 (公財)独立書人団 会員 
 (一財)毎日書道会 会員
 今日の学書社・師範
 煌心書道会・師範
 玄象会理事長 

 《 これまでの受賞歴・活動歴 》

 [ 平成24年 ] 
 第64回毎日書道展 毎日賞(公募最高賞)
 「 復興書展 〜 再生へ 心ひとつに 〜 」企画主催 
 (福島県南相馬市市民会館ゆめはっと)
※南相馬市内の小学生560点、近隣の書塾の先生作品12点、自作品10点を展示 
 [ 平成25年 ]
    毎日書道会主催「中国への書の研修視察団」に選出され訪中する。
 静岡独立書展(静岡県立美術館) 静岡独立賞(最高賞) 
 静岡県ふじのくに芸術祭 準奨励賞 
 第6回全国公募書道展-放哉を書く-鳥取商工会議所会頭賞 
[ 平成26年 ]
   第66回毎日書道展毎日賞(公募最高賞・2回目) 
     静岡独立書展(静岡県立美術館) 静岡独立賞(公募最高賞・2年連続)
     ずんぶり浸る展 1st 開催 (沼津市芹沢光治良記念館)
     常磐自動車道開通記念碑「繋」揮毫 (常磐自動車道南相馬市セデッテ鹿島SA設置)
[ 平成27年 ]
 ずんぶり浸る展 2nd 開催 (沼津市芹沢光治良記念館) 
 沼津市芸術祭 審査員に選出される。
 静岡県ふじのくに芸術祭(クリエート浜松) 奨励賞 
 第8回全国公募書道展-放哉を書く-放哉大賞・鳥取県知事賞(最高賞)
       煌く日本の現代書巨匠展(チェコ・プラハ)出品 
  [ 平成28年 ]
 第67回毎日書道展秀作賞(会員昇格予定)
 ずんぶり浸る展 3rd 開催 (沼津市芹沢光治良記念館) 
       櫻本太志書展開催(沼津モンミュゼ美術館)
 櫻本太志と書のなかま展(cafe ロリアン)
 [ 平成29年 ]
 (一財)毎日書道会会員昇格
(公財)独立書人団会員昇格
 ずんぶり浸る展 4th 開催 (沼津市芹沢光治良記念館) 
[ 平成30年 ]
 中国への書の研修視察団による展覧会「笑酔会書展」(東京交通会館)企画開催 
      「WACCAで書!」池袋WACCAデパートにて書道パフォーマンス&ワークショップ 
[ 令和元年 ]
 「ラグビーワールドカップFESTA2019」にて書道パフォーマンス&ワークショップ
 第66回独立書展(国立新美術館)会員賞(最高賞)
[ 令和2年 ]
 煌心書道会 師範合格